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時代遅れの感想 ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』

 明けましておめでとうございます。この年末年始は炬燵に入ってただひたすらテレビを見るというグータラ生活を送っておりました。そんな中で見たのが再放送をしていた『逃げるは恥だが役に立つ』でした。

 2016年10月から放送されていたTBS火曜ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』。一大ブームを巻き起こしたこのドラマの初回を当時、私は見ていたのですが、その頃は受験勉強で忙しくて結局すべて見ることはできませんでした。そんな中で、どんどんどんどん話題になっていく『逃げ恥』。これはいつか必ず見なければならないと思っていました。そして、先日の一挙放送にて、ついに『逃げ恥』を見るという夢を達成しました。

 なんて可愛いドラマなんでしょう。新垣結衣さん演じるみくりの可愛さが終始溢れていて、同性の私でさえもその可愛さに思わず悶えてしまうほど胸キュンでした。星野源さん演じる平匡が、みくりの「いってらっしゃい」を聞いて悶絶する気持ち、痛いほどわかります。時々登場するみくりの妄想もみくりの可愛さ爆発でした。特にチアガールコスとバスガイドコスのミニチュアみくりは半端なく可愛かったです。10話でみくりが言ったように平匡も可愛いですよね。でも、バックハグを決めたみくりのほうが何倍も可愛かったですけど。

 そんな可愛さ満点の中に面白さもふんだんに盛り込まれていて終始楽しいドラマですね。ありえないくらい局の垣根を超えたパロディ(海野つなみ先生の原作も読みましたが、こちらもパロディ満載でその再現力に驚きました)や、みくりの妄想も突拍子のない言動も面白いですし、恋に不器用な平匡の挙動不審な動きは面白すぎて何度見ても笑えます。そして、一番面白いのは3Iシステムソリューションズの面々。というか主に、古田新太さん演じる沼田と藤井隆さん演じる日野ですね。ふたりの会話はアドリブだったといいますし、いいキャラしている上に、面白いやり取りはお腹がよじれるほど笑いました。

 可愛さや面白さ溢れる中に、社会的な問題も取り込まれているのがこの物語のうまいところです。題材にもなっている事実婚や主婦の対価については全話通して描かれています。私の母も専業主婦で、その後、子どもの進学に伴って少しずつ仕事もするようになりましたが、家事は母がやって当たり前という考えがどうしても父や私たち子どもにあって、母の負担を思い知らされました。みくりの言うように「仕事だから、対価をもらえるから、家事をきちんとこなそう」と思えるわけで、無料奉仕では上手くいかないのもある意味当然だなと感じました。その他にも文系の大学院出身のみくりに働き口がないことや、雇用のグローバル化によって国内の雇用がないこと、働く女性の子育てについてなど、みくりの仕事として専業主婦をしているという状況に絡めながら何気なく触れられていました。また、石田ゆり子さん演じる百合の会社関係でも、女性管理職の少なさや、帰国子女の働きづらさについて触れられていたり、恋愛模様に絡めてゲイの人やシングルファザーの人など多種多様な人がいる様子が描かれていたりしました。その触れ方はとても自然でまったく重くなく、それでいてハッとさせられたり、考えさせられたりしました。

 EDの恋ダンスも話題になりましたが、みくり可愛いですね。それに尽きます。劇中の恰好で劇中の部屋の中にいつつも、物語とは一つ切り離されたED部分は、物語がどんな終わり方であれ、楽しく終われてとてもよかったですね。だってあの10話の最後、平匡のプロポーズを「好きの搾取」とみくりが言い放ったあとでも、笑顔のみくりと他キャストの面白可愛いダンスで終われるのですから。特にこの回のEDはどういうわけかTBSアナウンサーの安住紳一郎さんが現れるし、ロングバージョンでメイキングっぽい映像も流れるし、遊び心満点で大好きです。

 もともと恋愛物語は苦手なのですが、そこは可愛さと面白さで癒され、社会問題的なところ、特に主婦について深く扱われている点においては興味と関心がいっぱいで、とても楽しませていただきました。続編も期待されていますが、もしあるならその時は今度こそリアルタイムで鑑賞したいと思います。