それを嫌いになれないから

音楽、芝居、文学、自分が楽しめることを綴る場所

関ジャニ∞シングル『奇跡の人』の感想と改めてメトロック出演について

 関ジャニ∞の新曲『奇跡の人』が先日発売されました。メンバーの錦戸亮さん主演の日本テレビ系ドラマ『ウチの夫は仕事ができない』の主題歌だったり、限定盤には今年5月に出演したTOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2017の映像や音源も収録されていたりで、発売前から楽しみでした。超独りよがりの感想と、改めて関ジャニ∞のメトロック出演について考えたことを記していきたいと思います。

 

www.infinity-r.jp

 

奇跡の人

 さだまさしさん作詞作曲。歌詞には関ジャニ∞メンバーの意見を反映。現代版、関ジャニ∞版関白宣言。とても楽しみでした。メンバーが口を揃えて「フルで聴いて」とおっしゃっておりましたが、私もライブで先にフルサイズの『奇跡の人』を聴いていたので、フルサイズで聴く意味も理解でき、改めてフルで聴ける日を楽しみにしていました。

 さすがさださんと言いますか、歌詞が素晴らしくフルサイズで聴いてこそ物語になります。その物語がまさに関白宣言。こうしてほしいああしてほしいと女性への理想を並べながらも、自分も悪いところは直すから、愛するからという実は女性思いな男性の物語。まあこれをフルで聴いても男尊女卑だとかいう人もいるのでしょうが、私はとても好きです。現代版と言うだけあって、さださんの『関白宣言』よりは緩めだと思いますし、関ジャニ∞版という観点から若干古風な考え方になったのでしょう。でも、私はそういう古風な考え方も気にならない、むしろ憧れていうるようなところもあるので素敵だなと思いました。そもそも"奇跡の人"ですから、あくまで理想を述べているだけだからこそ成り立っているとも言えます。また現代版と言われる所以は、苦手な女性像が現代感漂う今時の若者の女性だからでしょうか。これは、男性女性問わず言えることで私も関ジャニ∞よりは現代の若者ですが、共感できました。そして、ラスト3番を聴いたらこんな男性は素敵だなと思います。1番大切なことをきちんと大切にしている。男性からみた理想の女性を歌った曲でありながら、これを受け入れられる女性からすれば、理想の男性を歌った曲にもなる曲です。

 曲調や雰囲気としては、メンバーもおっしゃっていましたが、関ジャニ∞にはなかったテイストかなと思います。さださんらしい優しいサウンド、ドラマの雰囲気にも合う幸せそうな柔らかな雰囲気です。ミディアムテンポで、アコギやフルート、グロッケンなどの優しい音から始まり、サビではバイオリンによる壮大感が加わります。最後のラララ〜と歌うパートでは管楽器の音も増えてノリのいい楽しい雰囲気になります。幸福感が溢れ出るサウンドです。

 メンバーの歌い方も曲の雰囲気に合わせてとても優しい。掛け合いで喋るように歌っているところはこの曲にとてもぴったりで、歌詞に合わせて歌い方が違ったり感情が籠っていたりして、人の温もりや人間らしさを感じます。特に最初の錦戸さんのソロや、3番の渋谷すばるさんと錦戸さんのソロの部分は、ソロを歌うメンバーだけでなく、掛け合いのメンバーも歌い方が柔らかで優しく、美しい歌声が響きます。打って変わって、最後のラララ〜の部分では皆さん楽しそうに歌われているのがとても印象的です。

 初回限定盤の特典DVDには、レコーディング風景が収録されていますが、それを見てもお分かりのように、この曲はメンバー全員での同時レコーディングが行われました。普段は1人ずつレコーディングしたものを繋ぎ重ね合わせて出来上がるCDですが、実際メンバー全員が一緒に歌い、それがCDになりました。だからこそ、掛け合いパートの自然な雰囲気や、人の温かさが歌にも滲み出ているのではないでしょうか。

 

コーヒーブレイク

 通常盤にのみ収録された渋谷さん作詞作曲のこの楽曲。初めに解禁されていた情報はこれだけ。そして発売直前のラジオ番組『渋谷すばるのスバラジ』(NACK5)にて、サビ(多分)直前までが解禁され、意外にお洒落なその雰囲気に驚いているのも束の間、発売されたフルサイズでは驚きの展開。渋谷さんにしてやられました。

 ピアノ伴奏と錦戸さんのソロから始まる曲というのにまず驚き。キーが高めでスローテンポで若干掠れる声も味があってとても素敵です。テンポアップしたその後サビまでのソロパートはメンバーの歌い方がとても優しい。特に大倉忠義さんと丸山隆平さんのソロは惚れ惚れするような優しい歌い方でした。曲調もお洒落で、サビに向かって段々とオケの音も厚みが出てきます。爽やかなサウンドに軽快なリズム音。歌詞に合わせて日常音や声が入っているのもお洒落です。(※追記 9月30日OAの『スバラジ』にて、目覚まし時計の音は渋谷さんの私物の実際の音を、乾杯して騒いでいる声はメンバーの実際の声を録音したものだそうです。こだわっていますね)編曲は渋谷さんに加え、関ジャニ∞ではお馴染みのPeachさんという安定感。さすがです。

 歌詞もお洒落。一見(一聴?)大人の恋愛模様を歌った曲かと思いきや、聴き進めていくにつれて、二人称で表現されているものは「コーヒー」だと分かります。タイトルのように、コーヒーとともに過ごす1日の様子を描いた歌詞ですが、このお洒落な歌詞はサビ前までに完結します。そして、サビはひたすらに「コーヒーブレイク」を繰り返すという驚きの構成。曲は5分程度あり、一般的な長さですが、Aメロ、Aメロ、サビ、サビのような構成でしょうか。ワンコーラスのようですが、十分満足感のあるボリュームです(なんだか食事みたいですね)。

 これだけで終わらないのが渋谷さん。ここまでとてもお洒落で、もちろんサビもお洒落ですが、メンバーが「コーヒーブレイク」と繰り返し歌う中、「俺は飲まれへんけどな」という錦戸さんの声が。英語で言ってみたり、自分の分を人にあげたり、とにかく自分は飲めないことを繰り返す錦戸さん。初めの錦戸さんのソロはつまり、いつかコーヒーを飲んでみたいという願望。まだ近づけていない錦戸さんはコーヒーを「君」と呼び、他メンバーは「お前」と呼ぶ、この違いも渋谷さんよく考えてらっしゃいますよね。後半は攻守交代し「コーヒーブレイク」と錦戸さんが1人歌いながら、他メンバーがコーヒーの良さを伝えます。安田さんの高音ハモりも(クセが強すぎて笑いそうになりますが)心地良いです。1人で「コーヒーブレイク」と歌っている錦戸さんがなんだか切ない。そして最後にはコーヒーを飲んでみた錦戸さん。そして結局「やっぱ無理や」という見事なオチで締めくくられるのが、このお洒落なくせにネタ曲化した謎多き『コーヒーブレイク』の全貌でした。

 渋谷さんがジャニーズwebでもおっしゃっていましたが、あくまでこのオチありきで作った曲ということで、本当に錦戸さんのための曲になっているみたいで、錦戸さんファンとしてはとても嬉しいです。そんなオチの前振りのために、あれほどまでにお洒落な曲と詞を書いたと思うと、もう才能の無駄遣いとしか言いようがありません。笑い要素のある曲はこれまでにも沢山ありましたが、このように "真面目に笑いをとる" スタンスの曲は初めてだったのではないでしょうか。また、全員の曲でこれほどまでに一人のメンバーをフィーチャーした曲も無かったと思います。でもそこまでしてこの曲を作ったのは、さては渋谷さん、錦戸さんのこと好きだな(笑) 。 A面と合わせて振り幅を見せたかったとも渋谷さんはおっしゃっていましたが、確実に見せられてます。関ジャニ∞の振り幅というか、渋谷すばるの振り幅というか、錦戸亮の振り幅というか、本当に意表を突かれました。ラジオでも意図してサビ前までしかOAしなかったのでしょう。完全に渋谷さんにしてやられた曲でした。

 ひとつ気になることと言えば、サビの「コーヒーブレイク」のメロディーが不規則に変化するのが気になります。「コ」より「ヒ」のほうが低い下降パターンと「ヒ」のほうが高い上昇パターンとあるのですが、前半の6人で歌っている部分では、8回の「コーヒーブレイク」のうち初めの2回のみが下降パターンで、残りの6回は上昇パターンです。一方、後半の錦戸さんのパートはほぼすべて上昇パターンで、最後の1回のみ下降パターンのように思います(安田さんのハモリは上昇パターンでなおかつ安田さんの存在感が強いのではっきりとは聞き取れませんが)。この規則性の無さには何か意味があるのでしょうか。気になります。

 しかし、本当に最高の曲でした。渋谷すばるありがとう!

 

METROCKについて

 関ジャニ∞のメトロックでの様子は、実際に参加した人のレポやWSなどで見ましたが、あくまで誰かの主観だったりほんの一部だったりで、その全貌はなかなか捉えられませんでした。そんな中で今回のこのシングル。初回限定盤には『宇宙に行ったライオン』『象』のメトロックのライブ音源、期間限定盤には『High Spirits』『ズッコケ男道』『言ったじゃないか』『侍唄』『LIFE〜目の前の向こうへ〜』のメトロックのライブ映像が収録されました。これも全てではないものの、これまでよりは、実際のメトロックの様子を知ることができました。

 改めて見ると感慨深いものがあります。ジャニーズ事務所の一アイドルが、10年以上かけて少しずつ磨き上げてきたバンドというスタイルで野外ロックフェスに参加したことは、関ジャニ∞の歴史においても大きな出来事となったように思います。こんな簡単な言葉で片付けるのは勿体無いですが、ただひとこと。凄い。

 CDとして音源が収録されたことでよく聴くと、小さなミス、微妙なズレはあることが分かります。完璧ではない。でもメトロックのあの場にいて、生の演奏を聴けばその程度はさほど気にならないのでしょう。むしろ彼らのメトロックに対する、ロックフェスに対する、音楽に対する思いは、確かだと、本気だと感じました。

 DVDには『侍唄』前の、タイミングを間違えた丸山隆平さんのベースソロも収録されていました。ご丁寧に『侍唄』後の正しいタイミングでのベースソロまで収録してくださっていてファンとしては嬉しい限りです。ついでに次の『Tokyoholic』まで収録してくれよとも思いましたが(笑)丸山さんのミスのフォローは最善策でした。止めることなくむしろベースソロを煽った錦戸さん。即ドラムとギターで加わりセッションという形に持っていった大倉忠義さんと安田章大さん。正しいタイミングですべてを暴露し笑いに変えた渋谷さん。そして、やりきった丸山さん。そのフォローは楽器の技術的にも凄いし、彼らの信頼関係や笑いに変えていく関ジャニ∞らしさも凄い。本当に上手いフォローだったのだと改めて感じました。

 選曲も良かったですよね。『ズッコケ男道』はどこへ行っても受け入れられますが、安定した演奏を届けられる慣れ親しんだ曲から、同じくメトロックに出演していたアーティストの提供楽曲、もちろんメンバーの手掛けた曲まで、様々でした。最後が『LIFE〜目の前の向こうへ〜』だったことは嬉しいですね。その場にいたら泣けてたかな。一般に馴染みのない曲は、村上さんが上手く煽って盛り上げておられました。村上さんの知名度と親しみやすさはそれがフェスという場でも変わらず、彼が率先して客を煽ることで客もノリやすく、盛り上がっていたのかなと感じました。

 様々なところでメトロック出演について楽しかったと語るメンバーですが、実際に映像を見るとその楽しんでいる様子がよく分かりました。錦戸さんが本当に楽しそう。安田さんも本人が言っていたように楽しそうですが、錦戸さんが1番嬉しそうだなと思いました。あれほど笑顔で歌っている姿なかなか見られません。関ジャニ∞がバンドというスタイルで、バンドをするべき場所で、バンドをできることが嬉しいのかなと思いました。

 映像になったおかげで、なんでそのレスポンスできるんだろうとかマジバンしてる人たくさんいるなとか、不思議な感想も抱きましたが、いろんなバンドのラババンやタオルやTシャツを身に着けた人たちが、あれだけの人数、関ジャニ∞のために集まったと考えると本当に感慨深いです。モッシュやサークルがおきて、客が一体となって盛り上がっている様子はファンとしてもとても喜びを感じました。

 今回のようなことが今後起きるのか。ないに近いような気がしています。関ジャニ∞のフェス参加はファンとして嬉しい限りですし、自分もその場で肌で喜びを感じたいと思いますが、いろんな問題で多分難しいと思います。でも、今回だけに終わらせるのも勿体無い。頻繁になくてもいいので、またいつか、いつもとは違う舞台で関ジャニ∞が輝いている姿を見せてほしいと願っております。

 

 

 

奇跡の人(期間生産限定盤)(DVD付)

奇跡の人(期間生産限定盤)(DVD付)

 
奇跡の人(初回生産限定盤)(DVD付)

奇跡の人(初回生産限定盤)(DVD付)

 
奇跡の人(通常盤)

奇跡の人(通常盤)