それを嫌いになれないから

音楽のこと。ジャニーズのこと。

俳優 錦戸亮の目指すところ

 「(自分の出演したドラマで)話題になったやつって別に主演じゃないんです。主演でなんか作らな、主演で一個欲しいなって」

 

 これは2017年5月1日放送の『月曜から夜ふかし』にて、ゲスト出演した錦戸亮さんが話した言葉です。

 

 関ジャニ∞において錦戸さんといえば、俳優としてお芝居の方面からグループの成長に貢献している人。二枚目キャラで寡黙なイケメン俳優というのは、世間的にも通用するイメージかと思います。ジャニーズではグループに所属しているメンバーなら、普通の俳優さんのようにずっとお芝居をしているわけにはいかないので、出演作品は年に1本あれば良い方です。そんな中で錦戸さんは年に1本ペースのドラマ出演を維持しつつ、映画のお仕事も時折入り、かなり定期的に俳優業をされています。

 当時を知らないので何とも言えませんが、俳優としての大きな仕事は、2003年から2004年に放送されたNHK連続テレビ小説てるてる家族』なのかなと勝手に思っています。日刊スポーツのドラマグランプリ新人賞を取っているみたいですし。本人もよく言っている転機としては2005年のフジテレビのドラマ『1リットルの涙』です。これを機に上京し、錦戸さん自身にも演技の仕事をやっていく意思みたいなものが固まったように思います。

 2008年は3作ものドラマに出演し大忙し。そのうちのひとつフジテレビのドラマ『ラスト・フレンズ』はドラマ自体も話題になりましたが、錦戸さんの演技が大変評価された作品でもありました。DV男を熱演し、ザテレビジョンのドラマアカデミー賞助演男優賞、日刊スポーツのドラマグランプリ助演男優賞を受賞。雑誌で「イメージダウンした俳優ランキング」で1位をとり、お母様ががっかりされたものの本人は大喜びしたという話はファンにとって馴染み深い。同年TBSドラマの『流星の絆』も大きな話題となりました。

 2010年には初の映画出演にして初の主演映画『ちょんまげぷりん』が公開されました。翌年2011年にはテレビ朝日のドラマ『犬を飼うということ~スカイと我が家の180日~』で初の連続ドラマ主演を飾りました。それからは年に1本ペースのドラマをほとんど主演し、主演映画も4本。2018年には主演映画『羊の木』の公開が予定されています。

 

 冒頭の錦戸さんの言葉にある、主演でない話題になったものというのはおそらく前述の『1リットルの涙』や『ラスト・フレンズ』『流星の絆』などのことだと思われます。失礼は承知ですが、錦戸さんの言うとおり、主演のドラマは別段話題になった作品があった記憶はないですし(錦戸さんが主演作品はすべてリアルタイムで見ているので、当時の体感として)、映画も同様。2014年のTBSドラマ『ごめんね青春!』は他よりは話題になったようにも思いますが、比較的と言うに留まるような気もします。

 私個人としては、主演だろうが主演でなかろうがどっちでもいいと思っていました。むしろ主演でない方が面白い役柄が見られるので好きだと感じていました。『ラスト・フレンズ』の及川宗佑はDV男だったり、『流星の絆』の有明泰輔や2010年のフジテレビドラマ『ジョーカー 許されざる捜査官』の久遠健志はチャラ男だったり、主人公にはなり得ない変わったキャラクターが演じられるのが好きでした。主人公となると、どういうわけか錦戸さんは、気弱でお人好しな優しい好青年みたいな役が多く、物足りなさも感じていました。だから、主演が決まる度にもちろん嬉しさもあったのですが、どこかで主演じゃなくてもいいのにな、主演じゃなくて変わった面白い役を演じてくれないかなとも思っていました。

 でも、冒頭にある錦戸さんの言葉を聞いて、はっとさせられました。自分は甘かったと思いました。主演作で話題になること、それは一種のステータスのようなもので、意味があるのだと。芸能界で生き残るための実力を示すものだったり、名誉みたいなものだったり、そういった価値あることなのだと初めて知りました。主演作が話題になるとこで、俳優としての錦戸さんの評価も上がるし、関ジャニ∞にも反映されるかもしれない。ファンがどんな錦戸さんが見たいかじゃない。世間が錦戸さんの演技を見て、錦戸さんの主演ドラマを見てどう思うか、面白いと思うかが重要なこと。自分の応援している大好きな人は大きな目標を掲げてそれを目指しているというのに、それを否定するかのように、久遠や泰輔みたいなチャラい男の役をまた見たいなんて呑気にほざいてた過去の自分が馬鹿らしく思えます。

 錦戸さんは関ジャニ∞の中では1番に俳優として演技を始めましたし、その歴も作品数もメンバー1で、民放ドラマや映画(横山さんの『新宿少年探偵団』は特殊なので省きます)の初主演もメンバーの中では1番に決まりました。しかし、ジャニーズ全体で見るとそうでもなかったりします。もっと早くから主演をしている人はたくさんいますし、主演の代表作を持っている人もたくさんいます。

 そんな環境の中で、あくまで憶測ですが、錦戸さんは昔からこの目標に向かって走り続けていたのかなと思いました。最近、よく目標や願望を口に出すようになったとご本人もおっしゃいますし、ファンにも届く形で発信してくれることもあります。だから、最近になって、これ以外でも、「主演で代表作がほしい」というような主旨のことをよく言っておられますが、もっとずっと前から目指していたことなのかなと。ますます、「主演じゃなくていい」と騒いでいた自分が阿呆らしい。

 主演作では似たようなキャラクターを演じることが多いので、演技も似たように思えますが、よく見るとどの役もそれぞれにあった演技をされていることがわかります。そうでなくても、過去の作品をさかのぼっていけば、チャラ男もDV男もぶっきらぼうな高校生も特殊能力を持った教師も放火魔教師もタイムスリップしてきた侍もインチキ陰陽師坂本九錦戸亮も、どんな役でも見事に演じられていますし、その役として見ることができます。最近、錦戸さんの過去の作品を何本か見る機会があり、いい演技をする方だなと改めて感じました。

 彼の演技をずっとこれからも見ていきたい。彼の主演作が話題になって彼の代表作になる瞬間をこの目で見たい。だから、主演じゃなくてもいいなんてもう言わない。もちろん、まだまだ見てみたい役柄はたくさんあります。チャラい役また見たなとか、狂気じみた悪役見てみたいなとかありますが、でももう役なんて、それこそなんでもいいですよね。それよりも主演。主演なんてやればやるほどいい。錦戸さんの主演ドラマで大好きなものもたくさんありますし、今放送中の日テレドラマ『ウチの夫は仕事ができない』も大好きです。でもファンが好きだと言うだけじゃなく、世間的に、国民的に、話題になること、それが錦戸亮主演であることに意味がある。錦戸さんならきっとこの目標を達成してくれるはず。そうなるよう全力で応援します。

 『ウチの夫は仕事ができない』が終われば、来年には映画の公開が待っています。次のお芝居のお仕事はいつだろうか。どんな物語だろうか。今から待ち遠しく思います。錦戸さんの主演代表作が生まれる日が1日でも早く迎えられますように。